イザナギと状況対応リーダーシップ®

大喜多さんの「異教訪問譚と状況対応リーダーシップ®理論の対照、-「馴質異化」と「異質馴化」の観点から-」

前回は「となりのトトロ」で、状況対応リーダーシップ®を使ってくれました。
・・・ここで、「R2」に相当するのが、大人とともにメイを探していた(他律的)場面であり、「R3」に相当するのが、不安をかかえつつも一人でトトロを訪ねる(自律的)場面だ。この決断が結果を左右した。同時に、さつきの成長も、これにより促されたに違いない。こう考えてみると、トトロはこの物語のリーダーであり、さつきはフォロアーである。
果たしてこの解釈があっているかどうかはわからないが、なんだか、いろいろなものに援用できそうな気がする。・・・

今回は、「イザナギの黄泉国訪問譚」で状況対応リーダーシップ®を使ってくれています。


大喜多紀明著

大喜多さんによれば、イザナギの「心境」は次のようなプロセスを経ています。

1.旧日常
2.馴質異化(R1)
3.高揚(R2)
4.落胆(R3)
5.異質馴化(R4)
6.新日常

  1. 妻のイザナミを失ったイザナギは、しあわせだった旧日常という慣れた状態から、「妻がいない」という異質な状態に陥ってしまった。
  2. 「状況に対応する」というタスクにおいて、イザナギは能力も意欲も低いR1になってしまった。
  3. そこで、イザナミを取り戻すために黄泉の国に行くことにした。このときのイザナギは、妻にもう一度会える、取り返すという高揚した気持ちがあったと思われる。
  4. しかし、イザナミの「見るな」という禁をやぶって、変わり果てた姿のイザナミを見てしまい、イザナギは大きく落胆し、一目散にこの世に戻る。
  5. イザナギは、イザナミと決別し新しい日常を回復する。
  6. 現実を受容し、新しい日常に馴化する。
なるほど、確かにそういう流れだと思います。

大喜多さんの論文を読んで、いくつかのおもしろい視点が浮かびました。
公開勉強会で、雑談できればと思います。

たとえば、
  • タスクは、「変化に対応する」としてもいいなと思いました。レディネス(能力と意欲)を診断した後、そのレディネスを高めるリーダーシップはなにかと考える場合、「変化に対する能力や意欲」とすると、より具体的なリーダー行動(指示的行動や協労的行動)をとらえることができるかと。
  • R2からR3へのプロセスが、「高揚⇒落胆」と表現されているのが、非常にいいと思いました。R2からR3への変化には、他律的から自律的への質的変化があります。R1からR4 への成長ととらえると、この質的変化を見落としがちです。なぜ高揚から落胆なのか、この点を掘り下げると、質的変化に気づくことができると思いました。
  • また、このいったん落胆(どん底)に落ち込むというプロセスが、プレゼンシング(U理論)を彷彿とさせました。本質的な変容に通じるものがあると感じました。
  • 旧日常から新日常への変化もおもしろい視点だと思いました。過去の延長線上ではない変化ととらえると、いわゆるイノベーションにも通じるものがあると思います。
  • イザナギにとっては、質的にまったく異なる新日常ですが、他の人たちから見たらまったく同じ日常という記述がありました。イノベーションが語られるときに、「景色が変わる」という表現を聞きますが、変化とは主観的なものなのか、客観的なものなのか、この視点もおもしろいと思いました。
  • 主観的な変化か客観的な変化か、技術革新や売上アップなど測定できるものはわかりやすいですが、測定できないものはどのように変化を説明するのか、証明するのか・・・

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