従来のリーダーシップ理論は機能していない・・・


リーダーシップ理論を学習するときに、まず組織や協働という考え方を学習します。
組織では人々が協働し、ひとりや少人数ではできないような大きなことができます。
リーダーシップ理論は、組織で働く人たちをどのように管理するか、どのように動機づけするかという視点で研究されてきました。

こういったリーダーシップ理論やモデル、そしてそれらを土台とする教育やトレーニングは、20世紀の商業的発展とともに大きく社会に貢献してきました。
大都会の超高層ビル群を見るたびに、世界に広がる大企業をみるたびに、ひとりや少人数ではできない、とても大きな力を感じます。組織がなければ、広野でバラバラに活動する集落のようなんだろうな、高層ビルはひとつもないだろうな、などと考えながら。
そのたびに、組織のパワーは偉大だ、組織を動かすリーダーシップはすごいと思います。

10年以上前の博士論文で、わたしは、スタンフォード大学教授フェッファーの「現代のフラット化された組織では、リーダーシップは変革型リーダーシップ論と2次元のリーダーシップ論だけで説明できる」という言葉を引用しました。
組織のなかでのリーダーシップについては、もう半世紀もの歴史がある2次元で説明するリーダーシップ理論、そして20年くらい前から出てきた変革型のリーダーシップ理論、これだけで十分だというのです。

大企業や大きな組織が、フラット化する、チーム化する、これが現代の流れですが、そういうフラット化された組織を成長させるトップマネジメントは変革型リーダーシップ理論で、人を動かし管理するチームリーダーシップは2次元リーダーシップ理論で説明できる、という指摘です。
この指摘は的を射ていると感じ、あちこちで使っています。

確かに組織のなかのリーダーシップについてはそうかもしれません。しかし、ネットワーク化、ソーシャル化が進む協働関係のなかで、既存の組織からはみだす協働関係がある現代、従来の組織のなかのリーダーシップ理論だけでは不十分だと考えています。

また、もうひとつよく引用する説があります。
組織成長についてのグレイナーの説です。
組織は、いくつかのチャレンジを克服しながら規模を大きくしていくというものですが、組織が一定の成長を遂げると「心理的飽和状態」になるという仮説です。
心理的飽和、つまり心がいっぱいいっぱいになって疲れてしまうということです。

21世紀の今、わたしたちが目にする人と組織。
なんとなく現代の組織や社会にそれを感じませんか?
ヘトヘトに疲れて周りを思いやる余裕がない、自分さえよければいい、暴力があっても、偽装があっても、貧困があっても、障害があっても、見て見ぬふり、ひきこもりたい、この世からいなくなりたい・・・
これをどうにかしてくれるリーダーシップ理論はまだありません。

リーダーシップ理論は行き詰まっています、現代の組織や社会の問題を解決しようとするリーダーシップ理論はまだでていないのです。


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